忘れることと、決して忘れないこと

みなさんは雨の休日はどんな風に過ごしていますか?

私は、部屋で趣味のアクセサリー作りをしたり本を読んだりして過ごすことが多いですね。

何かをしながらラジオを聴くのも好きで、今回はラジオ番組で紹介された本を読んでみました。

そして、星の輝く夜がくる

真山仁 著。講談社、1,500円+税。266頁。

テレビドラマにもなったハゲタカシリーズで有名な真山さんの作品です。これまでとはひと味違う内容ですが、面白くて一気に読ませていただきました。

東日本大震災後の東北、ある町の小学校が物語の舞台です。

主人公の教師は阪神・淡路大震災で被災し、妻と娘を失っています。

関西弁丸出しの熱血教師は、自分の信念に基づき子どもたちの思いを第一に考え行動します。

被災し元気のない大人に気遣い、控えめで遠慮がちで元気のない子どもたち。

がんばるな!がまんするな!と言う主人公の言葉は、子どもたちの目に輝きを取り戻していきます。

主人公と子どもたちが信頼関係を築いていく過程の他にも、被災地の状況、原発、ボランティア、元教え子との関わりなど様々な問題が描かれています。

中でも私が印象に残ったのは、阪神・淡路大震災の17年目の追悼日に、主人公の恩師が語った言葉です。

「人は皆、忘れていくもんだ。だから生きていけるとも言える。特に辛い経験は忘れた方が良い。失ったものをいつまでも悩むべきではない。生き物は生まれた時から死を運命づけられている。それが早いか遅いか、突然か緩やかなのかの違いだ。でも、本当に大切なことは決して忘れない」

誰にでも、大なり小なり辛い経験があると思います。

その時の事を思い出して、胸が痛むこともあると思います。

でも、過去を変えることはできないんです。

私は、辛かったことを思い出すと自分を責めて凹みますが、同じだけ自分を励まします。

表現するのが難しいのですが、辛い過去の思いは忘れる努力をしたほうがいい、でも起こった事実は決して忘れず今と未来を生きていく感じでしょうか。

忘れることと、決して忘れないこと。

その人の生きかたが問われる言葉だと思いました。

 

今日のひとしな

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キクラゲこりこり炒り豆腐

豆腐1丁を半日程度かけて水抜きをします。

豚ひき肉と細切りにしたキクラゲ、ニンジンをごま油で炒めます。

そこへ水抜きした豆腐を加え、細かくなるまで炒めます。

味付けは本つゆと、お好みで醤油を少々。

最後に溶き卵を加えサッと炒め、刻んだネギを入れたらたら出来上がりです。

タンパク質が豊富で、こりこりとしたキクラゲの食感が楽しい今日ひとしなです。